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「新條まゆ」からはじまる、漫画家の逆襲
「事業上の仕事ぶりに優れた者に、十分に仕事をさせることこそが、優れたマネジメントの証明である」  

by ピーター・ドラッカー「現代の経営」



話は新條まゆの「さるマン」バカでも書けるマンガ教室を読んでから!

精神的につらくて、体もボロボロになって大金を稼ぐより
信頼出来る担当と、気持ちのいいお仕事をして、心底楽しめる漫画で
1円でもお金が入ってくればそれでいいと思いました。


バカまん読んでると、この部分がうそ・・・とまではいわないけれど、演出だってわかる。この人が「快感★フレーズ」というマンガを連載開始するに当たって経緯を見れば、そんな殊勝でけなげな人でないことはわかるべ。この人は「売れる」という確信を持ってマンガを書く人なのだから

ブログの雰囲気や、誠実そうに見える文体にごまかされている人が多い。
なんと、あのdankogai氏ですらだまされているのから相当なものである。実際のこの人は、マンガへの愛情もさることながら、それ以上にむちゃくちゃ商売感覚が強い人である。「たかじんのそこまでいって委員会」に出ているの女性と一緒で、「偽装ボケ」「演出された清純」であり、超クラスの甘え上手である。金持ち男性を魅了するタイプの女性なのである。

つまり、この人の本音は、上ではなくこっちである。この文章も、文脈に引きずられずに読むように気をつけなければいけない。文字通り受け取っては思うつぼである。

一つの流れを作ってしまった自分(引用者注:エロ路線で売れてしまったということ?)が自分の首を絞めてしまったわけですが当時はその流れに逆らうことが許されませんでした。そして、今まで通りの新條まゆを求める雑誌には行きたくなかった。悩んで、悩んで、小学館を離れる決心をしました。

つまり、彼女が小学館をやめた理由は

自分が築いたエロジャンルが流行となり、自分がトップを取れる存在ではなくなったからであり、しかもトレンドの変化に気づこうともせずいつまでもエロにしがみつこうとするサラリーマン根性まるだしの編集者の無能さに嫌気がさしたから

なのである。彼女は次の金脈を見つけた、あるいは見つけようとしている、と解釈すべきだ。

そして、今回の雷句事件にかかわったのも自らの転進を後押しすることが最大の目的である。必要以上の部分を久米田先生に丸投げしたのも、宣伝効果さえ出れば、それ以上のやりとりは彼女にとってまったく無価値だからだ。誠実そうな対応をしているが、実際のところ、ユーザの反応について、明確な対応をまったくとっていないことからもわかる。そのくらい計算高いのである。

「要は、勇気がないんでしょ?」に代表されるポジティブ教の人たちに、「本当の勇気とは私のような用意周到さがあってこそものを言うのだよ」と見せ付けてやりたいくらい、無謀とは縁遠い頭のよい方なのである。私はまゆたんブログをよんでしばらくしてから、彼女が「計算どおり!」と叫ぶAAが頭から浮かんで離れない。




というわけで、彼女をエロ少女マンガ家としてではなく、「マーケティング能力に優れた稀有な漫画家」として評価することができない人間が「編集者(販売側)」として権力を振りかざす資格など、ない。

新條まゆをただの漫画家としてではなく、優秀なマーケターとして評価できない会社では、彼女を活かせないだろう。

この人のマンガ、たとえば快感★フレーズについてはこのブログでも取り上げているが、この人は、漫画家という視点だけで見たならば、はっきりと一流ではないと断じられる。この人の昔の作品を今読んでも、後発の凡百の作品に埋もれているとしか感じられない。(年代と照らし合わせて、どのように読者が変遷して言っているかをつかむにはよいかもしれない。)
しかし、マーケターとして新しいトレンドを作る能力はトップクラスであろう。だから、この人の作品は常に最新作を追い続ける価値は十分にある。


<まとめ>
富樫のように画力・ストーリ構成力・マーケティング能力すべてにぬきんでたパーフェクトな漫画家というのはそうはいない。(冨樫を特別扱いすることをバカにしている人間は、一生マネジメント職に就くべきではない。)

そうではなく、個々の作家を特質を見切って最大限に生かし、それによって会社に貢献するのが、編集者の真の仕事である。編集者は高給取りなのだから、そういう難しいミッションをこなし、私たちに面白いマンガをこれからも届けていってほしい。

売る部分は自分たちの仕事だ、なんて考えている編集者がいるのだとしたら、「じゃあなんで自分はマンガ家になれなかったんだ、マンガ原作者になれないんだ」ということを100回唱えて顔を洗うよう、会社のトップが励行してください。「自分たちは好きなマンガを描くだけ」なんていう漫画家がいたら、首根っこひっ捕まえて「じゃあ、そのご自慢のマンガを、自分の責任で、自分だけで売ってみろ」と凄みを利かせてやってください。
文字通りの製販一体が実現され、私の元に多くの傑作が届けられんことを。<終>


でかい問題については、問題に関する構造と、ある程度長期の時間軸で考える癖を持ったほうがいいと思う。どうでもいいと思うなら、はてブコメント程度にとどめておくのがいいです。その場の流行に乗ってせつな的にネタを消費するしかできない人は、「マスコミ脳」とか「2ちゃん脳」っていうんです。「脳」の問題ではないけれど、そういう思考パターンにはまっている人は気をつけたほうがいいと思います。 (人のことを言えるのかって?いうのはかってでしょ?)

新條まゆは、お花畑の住人か!?――漫画編集者と漫画家の立場は本当に対等か?
http://blog.goo.ne.jp/skripka/e/938a43ea8a12eef3d781d118893cc079

マンガ編集者の仕事
http://d.hatena.ne.jp/n_euler666/20080611/1213200541
漫画家は編集者から自立すべきか
http://d.hatena.ne.jp/n_euler666/20080612/1213287066

私はこれらの意見に賛成するわけではないが、この視点はとても大事だと思う。
特に、一番上の記事に対して、自分の意見も書かずにただ批判だけを書いている人は、その場の雰囲気に流されているだけで、自分で思考していないのが丸わかりです。見ていて恥ずかしいのでやめてほしいなぁ。(こちらでも釣られてコメする人がいてウザいので消します。)

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【追記 :歴史は繰り返すか?】
コメントが実に鋭い。

新條まゆ=女版本宮ひろ志」。その通りかと。

面白いのは、あのときも「ハレンチ学園」などエロや、学園らぶコメ路線が猛威をふるっていたということ。ハッキリ言うと、エロはあくまで最終兵器であり、この路線が安定化する、つまり「巨匠クラス」か「新人」以外がホイホイとこの路線に手を伸ばすことが許されてしまうと、粗製乱造に歯止めがかからなくなるということです。そんなときまだエロが売れることが分かっている頃に「男一匹ガキ大将」を出して、一気に新しい路線を切り開いた本宮ひろ志と、新條まゆにはなにかしら通じるものを感じます。
(ちなみに、製品のライフサイクルが妙に短くなっているという点も非常に興味深い。)

彼女の次の路線はどうなるでしょう。「サラリーマンもの」「政治もの」などに走ったら爆笑ということで。 個人的にはおそらく、「スーパーエリート」に特化して、あたらしく「格好いい男」を演出する作品を作っていくのではないかと考えています。要するに、今までと根本路線は変わらない。見せ方一つで作品は変わる。それを熟知している新條まゆという作家は本当に今後楽しみ。
日記:漫画ヲタside | 15:17:16 | Trackback(0) | Comments(15)
コメント
新庄まゆは女本宮ひろ志だからなあ。
2008-06-15 日 12:23:41 | URL | ky0 [編集]
>富樫のように画力・ストーリ構成力・マーケティング能力すべてにぬきんでたパーフェクトな漫画家というのは

ネタですよね〜
2008-06-15 日 22:23:48 | URL | [編集]
新庄まゆ氏はその内アッサリとマンガ家以外の
クリエイト職に転職していてもおかしくない感じがしますね
2008-06-16 月 01:02:31 | URL |   [編集]
まーた冨樫信者か
2008-06-16 月 03:19:45 | URL | VIPPERな名無しさん [編集]
記事の本質と離れてしまっており、そこに触れるのは間違っているのかもしれませんが、
「冨樫を特別扱いしない」ってどの位のレベルでの話でしょうか?

現ジャンプの看板、尾田、岸本、久保の3先生と同じくらい、
と言った場合特別扱いしてる事になりますか?
2008-06-16 月 05:41:21 | URL | [編集]
「新條」でしたすみません
ニュースサイトの人、誤字は直してくれてもいいんですよ?
いろんなところに誤字の証拠が残っているので私涙目www

あと、冨樫ネタに釣られすぎだと思います常考
私は秋本先生や荒木先生のファンですよ?
「落とさない人」を尊敬しているに決まっているじゃないですか
2008-06-16 月 09:54:01 | URL | 島友貴 [編集]
漫画家は三年で辞めるのか?
 実に面白い視点だと思います。実際、彼女は自分をまるで現役の漫画家ではない様に書いてますが、年齢的に考えてそれはありえません。
 むしろ、これから更に稼いでいく事もおかしくないでしょう。

 経済的な事を言えば、出版業界の古い体質が現代社会の経済状況からダメ出しを食らった1つのモデルケースとも言えますよね。
 暗黙の了解で専売契約を結ぶのが時代遅れになり、漫画家の移籍も結構良くある話になっていくのでしょうか?
 売り手有利と買い手有利の逆転はよくある事ですし、市場なんてのはニーズに合わせてどんどん変化して行くものですしね。
 まあ、どっちに転んでも面白い漫画が読めればそれでいいんですけどね。
2008-06-16 月 13:51:20 | URL | 利根川 [編集]
富樫の画力・ストーリ構成力が高いのはわかるけど
マーケティング力ってのはどのあたりのことでしょうか。
ちょっと思い浮かばなかったので。
2008-06-16 月 16:15:24 | URL | 質問者 [編集]
俺も冨樫ファンだ。特にネタも構想も物語展開も背景描写もキャラの内面も過去も矛盾無く練り込んで無いのなら、無理に書かなくてもいいんで。テニヌとかキン肉マンとか設定の矛盾点をつっこみながら読むのもいいが、明確な基準とキャラの性格や行動を破綻させず納得して読めるマンガは読者も後の展開を割と真剣に妄想して楽しめるし、なおかつ読者の予想のナナメ上(いい意味で。レベルE)をいくマンガを少年漫画の王道で描いてるのは俺基準では今は冨樫だけだ。(ドラゴンボールのフリーザ編辺りも明確な戦闘力が示されてわかりやすい。)「落さないで書き続ける」人も尊敬はしてるが、マンネリ気味で続けられてもあまり楽しくないし。自分のペースで書けるようになったのは冨樫の実力で編集部に認めさせたのだし、もう冨樫は特別なマンガ家でいいと思う。なんか冨樫のマンガを下書きだの手抜きだのいって貶めてる人って絵だけで楽しんでる活字嫌いのゆとり(打ち消し線)若者って感じだ。
2008-06-16 月 19:25:34 | URL | あ [編集]
>富樫の画力・ストーリ構成力が高いのはわかるけど
>マーケティング力ってのはどのあたりのことでしょうか。
>ちょっと思い浮かばなかったので。

時事ネタをマンガに取り入れたり(北の将軍様とか)、ネットが流行ればネットの話、あとカードゲームとか作ったり(グリーンアイランド)、オクが流行ればオークション、まあ自分がハマったから描いたのかもしれないけど、自分も楽しめて描けて面白いマンガも描けるのでなにより。
幽白じゃ同じ事を繰り返す作業は嫌だとやめた漢。モチベーションが下がって続きが読めなくなることだけが心配だ。また面白い話が思いついたら思い出したようにジャンプで書いてくれ。
2008-06-16 月 19:32:01 | URL | あ [編集]
>マーケティング力ってのはどのあたりのことでしょうか。

蛇足ですが、「将軍様の死に様を見たい日本人」
2008-06-16 月 20:32:07 | URL | あ [編集]
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2008-06-17 火 01:52:26 | | [編集]
もしや
あの有様で「連載」が続いていること自体が、卓越したマーケティング能力とプロデュース能力の持ち主である証左、というオチ?<冨樫

だとしたら釣り針ごんぶと過ぎ。
2008-06-17 火 03:05:41 | URL | 須賀利 [編集]
あ、新庄が直ってるw

あとまゆたんは「さるマン」は描いてないよw
2008-06-18 水 00:44:19 | URL | とおりすがり [編集]
なんで
新條まゆは久米田にたすきを投げたのか?

ジツハこの騒動の中でそれが気になっていて、
その行為自体がなにかの演出なのだろうとは思っていたのですが

こうまで見事に言語化されるとチョット悔しいです。

そしてそのたすきを拾った久米田は計算なのかただ単にいい人なのかw
この騒動、ジツハ漫画を面白くしてくれていると思います。

まぁ、リメイクしちゃいけないネタですけどね
2008-07-24 木 21:24:46 | URL | hani [編集]
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